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2月12日(土)
 
 朝は読書で心を静める。読んでいた本は、「アルジャーノンに花束を」(ダニエル・キイス著)。向上心に燃える精神遅滞の男性が一か八かの大手術を受けて、天才へと変貌していく虚構の物語。彼は、超知能を手に入れることにより今まで見えなかった醜い人間の性を目の当たりにしていく。孤独な主人公の心の叫びに、涙しそうになった。

 昨日はタムにしてやられたが、この日は強風とリフト待ちにやられた。天気は前日とうって変わって快晴で、今日こそは!と意気込んだが、雪山の中程から上は強風が吹いており、リフトも左右に大きく揺れて、危険防止のために度々止まる始末。ついに昼前には頂上付近のリフトの大部分が止まってしまった。
 ただでさえ3連休で人が多いのに、スキーヤーたちは、わずかに運行している下の方のリフトに群がっていったので、ゲレンゲは大混雑した。リフトは1回20〜30分待ちは当たり前で、待つのが何よりも嫌いな俺は得意の割り込みを試みたが、ほとんど無駄な努力だった。連れの3人のうちの1人です。さあ、誰でしょう?

 昼ご飯を食べようにも、食堂も人であふれており、2時を過ぎても食べるところが見つからない。

 ようやく3時近くになり席を確保し、和食に飢えていた俺はおでん(卵・こんにゃく・竹輪・厚揚げ600円)とご飯セット(野沢菜・味噌汁付500円)を食べた。スキー場の飯はアホほど高いうえにまずいというのが相場だが、この時は珍しく満足した。

 この日は早めに切り上げて、風呂・夕食の後、ビール・お菓子を買い込んで、今度は「UNO大会」。
 昨日の「大富豪」に続き好調の俺は勝利を重ねた。恐いほどツキがあったが、途中から運気が急上昇したタムにさしきられ、数年間守り続けてきた帝王の座を譲り渡した。



2月13日(日)

 相も変わらず朝食はパン・サラダ・卵・トマトジュースと、なぜかオレンジジュース。俺はご飯と味噌汁がないと力が出ないのだが、ないものは仕方がない。みんなで眠い目をこすりながら黙々と食べていると、学生時代のクラブの合宿を思い出す。

 外に出ると1日目と同様、天気が悪く、視界も悪かった。「雨男」は誰なんだ?、と責任のなすりつけあいをしたい気持ちだったが、日本屈指の雨男を自認している自分に勝ち目がないのは日の目を見るより明らかだったので、無駄な争いはしないことにした。

 この日は「スカイラインコース」を繰り返し滑った。このコースは初めと最後部分がやや急な斜面であるが、幅も広く中級者には絶好のコースだった。連休最後の日とあって人が減ったのか、リフト待ちもほとんどなくなり、3日間で一番長い時間滑ることができた。マサやケンはますます滑りが安定してきたが、タムも大分速度が増し、ようやく軌道に乗ってきた。ただ、霧で前方が全く見えない状態で滑っており、俺はこの日だけで3回ぐらい人に衝突した。昼ご飯は1日目に食べ損ねた念願の「豚キムチ丼」(950円)に巡り会うことができ、大満足。
連れの3人のうちの1人です。さあ、誰でしょう?
 昼以降少しコンディションもよくなり、俺の滑りも大分様になってきた。相変わらずよく転ぶが、体勢を取り戻すのも早い。互いの滑りを写真に撮ったりもした。
             
 こうして3日間の滑りを打ち上げ、いざロッジへ帰ろうかという時に、また事件が起こった。またタムが行方不明になったのだ。帰り道のなだらかな斜面で、迷うはずもない場所での出来事に、ケン・マサ・俺の3人はあきれるよりほかなかった。この時も携帯電話を使って、なんとか合流することができた。
(こんなに携帯が活躍しようとは、思いもよらなかった!)

 ロッジへ戻って風呂で着替え。大きな氷の固まりがウエアにこびりついていた。もともと俺のはスキーウエアではなく、完全な防水ではない。手袋の中にまで氷の固まりがしみこんでいた。(よく転んだもんなあ・・・)俺は氷を手作業でガリガリと脱衣場に落として荷物をまとめると、みんなでバス停近くにある別のホテルの露天風呂に入った。
 俺は浴槽に入るとすぐにのぼせあがるので、風呂の時間は短い方だ。他の3人はかなり長い時間入っており、俺は先にあがってロビーで休んだ。

 急に疲れが出てきた。とにかく早く眠りたかった。おみやげに野沢菜キムチ(和韓鮮菜)と職場用のお菓子を買い、夕食はボルシチ(1000円)と山菜そば(550円)を食べ、現地での最後の思い出とした。

 そして、また狭い夜行バスでの一夜だ・・・。



2月14日(月)

 せめて始発のバスが出る前ぐらいの時間ぐらいに降ろしてほしかったが、無情にもバスは午前5時前には京都駅八条口に到着、疲れきった俺達4人を放り出した。
 眠い目をこすりながら4人は始発まで駅で待った。
 マンションに戻ると、そのまま昼過ぎまで熟睡した。
 目が覚めると、洗濯をした後、現地で撮った写真を現像しに行った。すると、写真屋の70過ぎのおばあちゃんに「今日はバレンタインデーだよ!」と言われて、小さな包みに入ったチョコレートを2つもらった。
 なぜだか、とても嬉しかった。
<完>


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